ガラス作家 田中加奈子の制作日記

作品制作にまつわるエトセトラ

(オーダー制作)花束のランプ・制作編

 

こんにちは(^O^)

 

ガラス作家の田中加奈子です!

 

 

引き続きオーダーいただき制作したランプのお話です♪

 

前回の「イメージ編」読んでいない方はこちらからお読みください!

piconoglass.hatenablog.com

 

 

今回は「制作編」仕上がりを想像しながら読んでみてくださいね^ ^

 

というのも、いつもは最初にイメージスケッチの画像を貼るのですが、どの紙に描いたのか見つけられませんでした、、、

 

フトした瞬間にイメージが浮かぶので、その時に近くにある紙にスケッチするから、どこに描いたのかわからなくなることが多々あるのです^^;

 

 

そんなわけで、いきなりこんな写真から

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手軽に置き場所を変えられるサイズがご希望だったので、仕上がりのイメージに合わせて↑のランプベースを選びました。

 

 

ランプシェードが手元に届いたらまずやるのが、ガラスでつくるシェード部分を、紙で実物大の模型をつくりサイズを微調整すること。たとえ数ミリ単位でも立体になると印象が大きく変わるので、必ずこの作業を行います。

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実際に点灯して、電球がシェードに対してどの位置にあるのか確認するのも重要です!

 

 

シェードのサイズが決まったら、実物大のデザイン画を描いて

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型紙をつくるため、カーボン紙を使って↑のデザイン画を写します。

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写し取ったものをステンドグラス用のはさみで切り取ります。
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刃が三枚になっていて
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1mmの隙間が空くように切れます。
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このままブログを読み進めるとわかるのですが、今回のステンドグラスはガラス片同士を銅テープとハンダでつなぎます。そのため、ガラスとガラスの間に1mmの隙間をあける必要があるのです。

 

 

 

型紙ができたら、次は、イメージに合うガラスを並べて、ここからバランスを見ながら使うガラスを選んでいきます。
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消灯時(反射光)でも、点灯時(透過光)どちらで見ても美しいように、ガラスを一枚一枚、光にかざして確認します。

 

左:反射光

右:透過光 

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光によってガラスの印象が大きく変わるものもあるので、よく確認して、面白い変化は活かせるよう考えます。

 

 

ガラスを選びながら、先ほどつくった型紙に合わせて切っていきます。

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切り終えて並べたところ
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次はガラスに「絵付け」を施していきます。

 

 

板ガラスの上にガラス用の顔料と水を少し。

それをミューラーと呼ばれるガラスの棒で擦り潰すように混ぜます。
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水と合わせた顔料を筆にとってガラスに伸ばすのですが、今回は普通に絵を描く様には使いません。

 


ガラス全体を塗りつぶして

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このブラシで上下左右斜めにガラスの上を撫でるように滑らします。
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ムラがなくなりなだらかになりました。
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全てのガラスに同じ作業を行い
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顔料が乾いたら、それを剥がす様に模様をつけていきます。

 

 

こんな全面顔料に覆われたガラスを
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端が剥げてるのは、どうせ後で剥がしちゃうので見なかったフリで!

 

 

筆を立ててポンポンと
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細かいところは竹串を使って削るように模様をつけていきます。

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お花っぽくなってきましたね^ ^

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このままでは、触れると簡単に剥げてしまうので、電気炉で焼き付けます。

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焼き上がると粉っぽいグレー色の顔料が、艶を帯びた雰囲気のある黒色に変化するのです。

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次は、銅テープをガラス片の側面に巻きつけます。この銅テープの部分にハンダがのるので、それを意識してアウトラインがガタガタにならないよう巻きます。

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まずは平らな状態でハンダづけして

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平面の状態を終えたら、厚紙の模型に合わせ立体にしてハンダづけします。
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厚紙を外し、上部にランプベースに固定するためのパーツを取り付けます。
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ひっくり返して、底の部分にぐるりと銅線の補強をいれます。
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ガラス片同士に隙間があるデザインなので、補強をたっぷりいれていきます。

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よーーーく洗浄して、ハンダを染めて
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再度洗浄して、ワックスを塗り込んだら
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完 成

 

 

 

 

 

 

制作編は以上です!

 

次回、完成編をお楽しみに☆〜(ゝ。∂)

 

 

 

 

 

✴︎オーダーについて✴︎

ありがたいことに2020年分はオーダー上限に達しました!

来年分の受付開始の際はSNSにてお知らせしますので、しばらくお待ちください^^

 

 

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