ガラス作家 田中加奈子の制作日記

作品制作にまつわるエトセトラ

(オーダー制作)10周年の記念にオブジェとランプを③ 〜オブジェの制作編〜

 

こんにちは(^O^)

 

ガラス作家の田中加奈子です!

 

美容室の10周年の記念としてオーダーいただいた「オブジェ」と「ランプ」について綴っておりますが、今回はオブジェの制作編です。

 

これまでを読んでいない方はぜひこちらもお読みください

(オーダー制作)10周年の記念にオブジェとランプを① 〜オーダーくださった時の気持ち編〜

(オーダー制作)10周年の記念にオブジェとランプを② 〜オブジェのテーマ編〜

 

 

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さて、今回で3記事目になるのですが、引き続き、大阪府大阪市の美容室 Carpe Diem(カーペ ディエム)を営む鈴木崇仁さん(以下タカさん)より、お店の10周年のプチ改装の一環として作品をオーダーいただいた作品についてのブログです。

 

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今回はオブジェの制作編なんですが、このオブジェはステンドグラスの技法をつかっておりません。約10年ぶりにバーナーワークでパーツをつくってみたので、それについても書いていきたいと思います。

 

作品のイメージのラフスケッチがこちら

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こんな画像たちを参考にしてイメージをかためていきました。

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ビーズ状のガラスを使うことを思いつき、ガラス製のビーズを色々探してみるのですが、市販のものは形や大きさが均一で整い過ぎていて、これらだけじゃ何か物足りない、、、

 

もっと「力」や「勢い」、「流れ」、「瞬間の美しさ」のようなものを表現したい。

 

そんなガラスが見つからないならば、

 

つくりましょー!

 

そんなわけで、ビーズ状(穴が通っている)ガラスをつくるに最適な技法バーナーワークでつくることにしました。

 

バーナーワークとは、、、

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バーナーワークガラスの成形技法の一種で、バーナーによってガラス熔融し、成形することを称する。 別名、ランプワークフレームワーク

紀元前4000年ごろに紀元を持つといわれるガラスだが、その最初期段階に、装飾品などの制作にすでに行われていたとされている。棒ガラスや管ガラスを使うことが多く、とんぼ玉やガラスの人形等がよく知られているが、グラスなどの器やアクセサリー全般まで制作可能。また、理化学器具等の制作で行われる技法でもある。

出典元:バーナーワーク - Wikipedia

 

実を言うと、最後にバーナーワークをしたのは約10年前。そんなに間があいても思った通りにつくることができるのか不安を感じながらも、久しぶりの作業にちょっとワクワク(*⁰▿⁰*)

 

このバーナーワークは上の通りとんぼ玉をつくることができるので、そのつくりかたに倣って制作しました。

 

とんぼ玉とは、、、

とんぼ玉(とんぼだま、蜻蛉玉)は、柄が入った小さなガラス玉(ビーズ)のこと。模様のついたガラス玉をトンボ複眼に見立てて、「とんぼ玉」と呼ばれたといわれている。

江戸時代には地に模様のガラス玉を「蜻蛉玉」と呼び、それ以外のものは模様に応じて「スジ玉」「雁木玉」などと呼び分けていたが、現在では模様に関係なく「とんぼ玉」と呼ばれている。

出典元:とんぼ玉 - Wikipedia

 

 

ここからは私が実際に作業をしている写真でそのつくり方をご説明したいと思います。

 

芯棒となるステンレス製の棒の先に離型剤を塗布

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棒状のガラスの先をバーナーで熱して熔かす

(このバーナーは最高1,500℃以上なります)
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芯棒に熔けたガラスを巻き取る
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今回は均一な球体ではなく歪つに形を整える
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冷ましたガラスを芯棒から抜き取った状態

(穴のところに離型剤が焼きつくので、穴の内側が茶色になっています)

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穴に焼きついた離型剤をハンドリューターで削り取り、ガラスパーツが完成

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今回の作品で使うガラスパーツは数百個になるのですが、バーナーワークでつくったものはポイント的に使いたいので、予備を含め約150個ほど準備しました。

 

さて、このガラスパーツ探し&ガラスパーツ制作と並行して実物大のサンプルも制作しています。過去に似たようなものをつくった経験がないので、本当にこの作品がモノとして成立するのか確認するためです。

 

ガラスパーツ部分は樹脂製のビーズで代用しそれ以外のところは銅線で。

(銅線部分は実際にはハンダでメッキします)

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輪の数をもう一つ増やした方がバランスは良さそうだなぁというのと、イメージ通りにいけそうだということを確認できたので、いよいよ本番用のガラスパーツを使って制作です。

 

ひたすら銅線にガラスパーツを通して、捻って、ハンダメッキして、通して捻ってメッキして、、、、

 

を繰り返してこんなカタチのものを大きさを変えて6個つくりました。

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 その6個の「輪」をバランスをみながらテグスで吊って完成したものがコチラ!

 

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見る角度で見え方が変わります。

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近寄ってみるとこんな感じです。

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水しぶきのような、光の輪のような、クラウンのようにも見える「輪」が、少しずつ大きくなっていくさまをイメージしています。
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オブジェ編はここまで。

 

次回はもう一つのランプについて書きたいと思います。

 

お楽しみに☆〜(ゝ。∂)

 

 

作品の撮影時に真下に寝転んで撮った写真で、ピンボケしているんだけどお気に入りの一枚。
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